日本人だけが知らない外来の米売場 9
仕入れ担当の若者は、少しどぎまぎしながら返答してくれました。
あまり触れられたくないといった感じが、みえみえでした。
「棚のコメがなくなったら補充する程度で、仕入れは月に2回ぐらい。
このコメをおくようになって1年ぐらいかな。月に40から50袋は売れるよ。
でも、日本人はほとんど買わない。買っていくのは、外国人だよ」
店頭に並んでいたのは、間違いなく外国産のインディカ米でした。
日本では、外国産米の輸入はいうまでもなく、その販売も許されていません。
にもかかわらず、日本人客が中心のふつうのスーパーで、おおっぴらに店頭で販売されているのです。
これは一体どういうことなのかと首をかしげていると、彼がこの間の事情を説明してくれました。
経緯はこうでした。
あるバングラデシュの青年をアルバイトに雇ったところ、その働きぶりがあまりによく、社長以下全員がすっかり彼のことを気に入ってしまった。
で、その彼が、周辺に住む同胞達のために、店に香辛料をおきたいというようになり、それでスーパー内にエスニックの食料品コーナーが設けられるようになったというのです。
その際、社長が保健所への手続きを行い、インディカ米をおきたいという要望も伝えたそうです。
そうしたところ、「一定量を超えたら再考する」との条件がつけられただけで、黙認されたというのです。