日本人だけが知らない外来の米売場 10
しかし、コメの販売は食糧事務所の管轄。
保健所にはなんの権限もありません。
しかし、このスーパーはコメの小売免許を持っていなかったので、日常的に指導監督を受けている保健所に、それとなくおうかがいを立てたのです。
そして仕入れ担当者は、「香辛料の一部として、インディカ米を扱うことを認められたんだ」と解説していました。
では、なぜこのスーパーは彼の提案を受け入れて、エスニックコーナーを設けたのでしょうか。
「別に日本人のお客をターゲットにしているわけではないんだ。
この近所にはパキスタンやバングラデシュといった外国人労働者がたくさん住んでいる。
そうした彼らへの、サービスの1つとして思いついたことだ。
コメをおいたのもその一環だ。
このコーナーが呼び水になって、店の売上げ増加に結びついたらと考えたことなんだ。
別にコメに力を入れているわけじゃないんだ」
こうした話を聞くと、スーパーで堂々と、当局の取り締まりを受けずに外国のコメが売られている事情が見えてきます。
「外国人が顧客だし、販売量もたかがしれている。そう目くじら立てることもないだろう」
おそらく、こんなところではないでしょうか。
外国産米の販売が、実際に香辛料の一部として黙認されたのかどうかは別として、日本のありふれたスーパーの店頭で1年以上にわたって販売されつづけているという事実は、きわめて重要なことです。